庭先サツマイモの作り方
わたしはサツマイモが大好きである。
終戦後の食料難の中で母は畑でサツマイモを作り、幼いわたし達に食べさせてくれた。
<サツマイモを是非自分で作ってみたい>。
そう思い、庭先に3畳ほどの畑を作った。
いざサツマイモをそこに植えようと考えた時、大きな壁にぶつかってしまった。
サツマイモのツルは2-3メートルの長さに伸びる。
という事は下手(へた)をするとサツマイモのツルは畑を乗り越えてどんどん広がり、最後には庭を覆い尽くし、足の踏み場もなくなる可能性がある。
どうすれば良いのだろう。
わたしは悩み考えた。
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ある日の事。
何気なしに、机の上にあった本をペラペラとめくっていると一つの写真がわたしの目に飛び込んできた。
三本の竹竿(たけざお)に絡みついたサツマイモのツルの写真である。
<これだ!>。
とわたしは心の中で叫んだ。
<要するにサツマイモのツルを土に這わせるのではなく、棚を作って上の方に誘導すれば良いのだ>。
キュウリを作った時に竹の棚にキュウリネットを張った事がある。
<あのやり方をサツマイモに応用しよう>。
こうして<庭先サツマイモ作り>の全体のイメージが出来上がったのである。
早速、ホームセンターに行き、2メートルの竹竿20本とキュウリネット3個を買い求めた。
それから畑をもう一度耕(たがや)した。
サツマイモは肥料過多を嫌う。
だから畑には肥料は全く入れない。
3つの畝(うね)を作り、その全体を黒マルチで覆った。
こうすれば畑には草は生えないので、その分、手間が省けるのである。
買い求めた竹竿を土の中に打ち込み竹の柵を作る。
その上をキュウリネットで覆う。
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梅雨(つゆ)に入る少し前の5月24日。
なじみの種苗店に行ってみる。
店先にはバケツの水に浸した20cm位のツルの束が既に置いてあった。
<ベニアズマ>と<キントキ>の2種類の挿芽用(さしめよう)のツルである。
各々5本づつこれを買い求め、定植するまでの間、ツルは水を入れたバケツの中に保管した。
次の日に、畝(うね)を覆っている黒マルチをナイフで5cm位切り裂き、4cm位の深さにサツマイモのツルを植えていく。
幸い翌日は雨である。
サツマイモの挿芽は梅雨の雨の中で根を出し、大きく育ってゆくのである。
1つ注意すべき事がある。
サツマイモのツルはキュウリのように自分で棚に巻きつく力はない。
だからツルが伸びてきたら、それを誘導して棚に巻きつかせる必要がある。
わたしは園芸用のポリプロピレンの紐(ひも)を短く切って、それでサツマイモのツルを棚やネットに縛り付けることにした。
毎日、早朝、サツマイモの様子を観察して、伸びているツルを棚やネットに誘導するのがわたしの日課になってしまった。
現在8月初め、サツマイモは棚を覆い尽くす勢いである。
サツマイモの収穫は10月である。
大きなサツマイモが沢山とれますように。
ふと中学の頃に学んだ英語のフレーズが浮かんだ。
<Where there's a will, there’s a way>
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