ノコンギク
今年もノコンギクの咲く季節になった。
庭のところどころに紺色(こんいろ)のノコンギクが咲いている。
その名のゆかりは<野>に咲く<紺>色の<菊>でノコンギク。
わたしはノコンギクを見ると何故かこころを動かされる。
その場に佇(たたず)んで青紫の花びらと真ん中の金色の筒状花(とうじょうか)をいつまでも見ている。
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今でこそノコンギクは我が家では大切に扱われている。
しかし、この家に移ってきた当初は何の花か分からず、花壇を作る時に抜いてしまったのである。
ある時、花屋さんでこれと同じような葉っぱを見た。
名札(なふだ)を見ると<アスター>と書いてある。
さては抜いてしまったのは<アスター>だったのかとその時は思った。
アスターは中国原産で、別名<エゾギク>と呼ばれている1年草である。
ところが、抜いたはずのそのエゾギクが何時(いつ)の間にか、再び元の場所に生えて群落を作り始めたのである。
根元の土を掘り返して見ると、地下茎が伸びている。
地下茎で増えていく多年草・・・。
その時にやっと、わたしはこの菊がエゾギクではなく多年草のノコンギクである事を知ったのである。
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ノコンギクの原産地は日本である。
楚々(そそ)として静かな美しさをたたえて咲いている。
ノコンギクを見ていると、何だか数万年の日本の大地の歴史があたりに漂(ただよ)っているような気がする。
目立たないが、実はしたたかな生命力を持っている。
日本の大地にしっかりと根を張って咲く強い花。
それがノコンギクなのである。
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