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2009-11-05

これからの5年間

人間にとって一番むずかしい事は何であろう。

それは<未来を知る>事ではないかと思う。

あるいは<未来の姿を見る>事といっても良い。Yotsubanokuraba20091105

世間では<予言>とも言う。

これが一番人間にとってむずかしい。

しかし不可能ではない。

誰でも一生の間、一回位は、ほんの一瞬の間、<チラッと>自分の未来の姿が見えたような気がしたという体験があるに違いない。

自分の人生における大きなうねり、波動のようなものを自分の中に深くつかまえた瞬間。

その時に自分の未来の姿が一瞬、チラッと見えるのである。

しかしこのような、個人の人生のレベルを越えて、<世界経済の未来>とか<世界の国々の未来>を察知するのは至難なワザである。

それを行っている人がいる。

わたしが知っているのはそのうちの2人である。

一人は田中 宇(たなかさかい)さんというフリージャーナリストである。

この人の<田中宇の国際ニュース解説(世界はどう動いているか)>をこの数年来、欠かさずに読んでいる。

そうして、この頃つくづく思う。

長年の研鑽の結果であろう。

田中宇さんは、どのような小さな事件でも、世界の大きな動きの中に置いて見る目を持っていると・・・。

世界は一つの大きな<書物>、あるいは一つの大きな<絵>である。

わたしには目の前の出来事だけしか見えない。

いわば書物の字面(じづら)を理解するだけで精一杯である。

田中さんは世界という書物の大きなストーリーの流れの中でその部分の意味を把握している。

わたしは絵の一部分を見ているだけである。

田中さんは世界という絵の全体を見て、その細部の意味をつかんでいる。

わたしは物事の表相を見ている。

田中さんには物事の裏に潜んでいる歴史のうねりと脈絡が全体として見えるのである。

一例を挙げてみよう。

この程、アメリカのゲイツ国防長官が来日して、「決めたとおりに普天間移転をやれ」と日本を威嚇した。

その意味を田中さんは、米国オバマ大統領の外交顧問であるブレジンスキーがアメリカの新聞に発表した「世界的な政治覚醒」という論文を下敷きにして読み解いている。

つまりゲイツ国防長官はわざと日本のアメリカに対する反感をあおって<日本の政治的な覚醒(つまり日本の自立への決意)>を促したというのである。

わたしも今はそう考えている。

これは韓国で今、何が起きているのか、それから中国で本当は何が今起きているのかを同時に見る目がないと読めない脈絡である。

田中さんは書いている。

<私には、ブレジンスキーが米政府の隠れた戦略として、世界の人々の反米感情を煽って世界的な政治覚醒を進め、世界が米国の支配から独立していくように仕向け、世界体制を単極型から多極型に転換させようとしていると感じられた。・・・世界的な政治覚醒が起きることによって、世界は(コロンブス以来)500年続いた欧米による支配が終わり「中国と日本が台頭する」(the new pre-eminence of China and Japan)と書いてあるのだ。日中台頭の後、いずれインドやロシアの台頭も起きるかもしれないとも書いている。つまり、BRICと同時に日本も多極型世界を主導する国の一つになるという意味のことを、ブレジンスキーはさらりと書いている。>

とにかく田中さんの田中宇の国際ニュース解説はとてもおもしろい。

刺激的で目からウロコが落ちるようである。

まだ読んでいない人は、その有料サイトも含めて、是非これから読んでほしいと思う。

もう一人の未来を予言する人は以下の本の著者である。

■<ドル亡き後の世界
  副島隆彦(そえじまたかひこ)著

わたしはこの本を11月3日に1日で読み終えた。

とにかく読み始めたら最後まで止まらないのである。

すばらしい本である。Safurann20091105

何故そう考えるのか。

それは今回のアメリカのサブプライム及びリーマン破産を発端にした世界経済危機が今後どのように進展していくかがはっきりと書かれているからである。

以下その一部分の趣旨を紹介してみよう。

副島さんによると、2010年から2015年まで、世界は以下のように進展する。

(1) 2010年の3月頃、つまりカナダの冬季オリンピックが終了する2月28日ごろを期してドル、米株、米国債の3つの市場が暴落する。これがアメリカの恐慌突入になる。

(2) その後、少し持ち直す。中国、上海の万国博は5月に始まり、10月31日に終了する。これに合わせた形で2010年の7月あたりから市場は再び落ちて2010年末には暴落する。

(3) 2010年末から2011年初頭にかけて激しい金融崩れが起きる。ドルは70円、60円を目指す。米国債市場が落下を始める。オバマ大統領は辞任してその後はヒラリー・クリントンが米大統領になる。

(4) 2012年にどん底が来る。

(5) その後、3年をかけて、2015年に中国が世界覇権国になる。

これだけはっきりと近未来を予測している人は日本(いや世界)には副島隆彦さんしかいないのではないだろうか。

そして以上の予言はほとんどその通りに推移して行くとわたしは思う。

その理由は副島さんが予言して来た事は今まで、ほとんどそのすべてがそのまま実現しているからである。

今日本を覆っている不安と閉塞感。

その原因は何だろう。

それは先が見えないという事から来ているのである。

人間は先が見えないと大きな不安に襲われる。

人間は先が見えないと、不安と絶望にさいなまれ、最悪、自殺さえしかねない動物なのである。

副島隆彦さんは、はっきりとした近未来の予測図を示して、その不安をぬぐい去ろうとしているのである。

人間は結局先に何があるかを知れば、それがどれだけ辛い苦しい事でも、それなりに対処して乗り越えて行ける動物なのである。

この本は日本で2009年に出版された書物の中で恐らく一番重要な本であるとわたしは思う。

未だ読んでいない人は、出来るだけ早く手に取って何回も繰り返し読んでほしいと思う。

人間にとって一番むずかしい事は何であろう。

それは<未来を知る>事ではないかと思う。

これが人間にとっては一番むずかしい。

長年の研鑽(けんさん)、強靭な精神がいる。

更に、なによりも、耐え忍んできた人間しかそれは出来ないのである。

2009-09-11

嵐の前の静けさ

再び9月11日が来た。

8年前の、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件。Kosumosu90911 

あの世界貿易センタービルの崩落の瞬間の光景を思い起こすのはわたしだけではないだろう。

しかしその世界貿易センタービルの隣にあった世界金融センタービルにリーマン・ブラザーズ社が入居しており、同時テロで社員1名が死亡していた事はあまり知られていない。

更にそのリーマン・ブラザーズ社が破綻したのは、昨年2008年の9月15日である。

9.11と9.15・・・・。

どちらも9月である。

世界を震撼させる出来事が2回、アメリカにおいて、<9月の半ば>に起きているのである。

何だかイヤな予感がする。

今年の9月には何が起きるのだろうか。

果たして米国発の大激震が再び起きるのだろうか。

そういう目で、世界を見渡して見ると・・・。

何と驚くべき事に、世界中で株がどんどん上昇しており、あらゆる機関が楽観論をふりまいているのである。

人々のこころの中にわだかまる不安と、株式市場の隆盛は<奇妙な対照>を示しているのである。

果たしてどちらが本当なのだろう。

人々の不安か。

それとも株式の上昇か。

今、世界はその光と影の中で激しく揺れ動いている。Kumo90911_2

しかし少し冷静になって考えてみよう。

論理的に言えば、以下のように考える事が出来る。

●楽観的な方に考えれば、事が起きた場合への対策や、準備が前もって真剣にできないおそれがある。

●もし悲観的な方に考えれば、少なくとも事が起きた時に対する対策や、準備を今のうちに出来るだけ整えておく事ができる。

つまり、重要な物事に関しては悲観的に、厳しく見る方が最終的には正しいのではないだろうか。

<備えあれば憂いなし>なのである。

特に次のような点を見れば、それは明らかであるように思われる。

■現在の株価の上昇は、世界主要各国が協調して実施した景気刺激策の結果に過ぎない。実体経済に基づく、持続的な景気回復を意味するものではない。Kumonosu90911

■現在、ドルの下落が止まらない。金価格は上昇中である。

アメリカの住宅ローン物件のうち23%が債務超過になっている。つまり、4軒に1軒が実質破綻状態なのである。更にドイツ銀行の試算によると、2011年における債務超過物件は、48%まで増えるとされている。つまり、およそ2軒に1軒が破綻するのである。アメリカの不良債権問題は解決に向かうどころか、実際には、むしろ年々悪化しつつあるのである。

■という事は米金融機関の損失はどんどん増加している訳である。それがバランスシート上では、隠されていて、表に出ていないだけなのである。

わたし達は現在、<嵐の前の静けさ>の中にいるのではないだろうか。

光と影。
あなたはどちらを信じますか?

2008-01-11

これからの10年

1989年にベルリンの壁が崩壊して、東西冷戦が終る。

その後、突然、世界は混沌の中に沈んでしまう。

先行きや方向が見えなくなってしまったのである。Soshinnroubai8

それまでの常識が通用しなくなり、世界がどうなっていくのか見えにくくなった。

もちろんテレビや新聞では毎日、たくさんのニュースを流している。

しかし問題なのは、それらのニュースや事件の背景が見えなくなってしまったのである。

何故、それが起きたのか。

その意味や脈絡が見えないのである。

その結果、ニュースはバラバラな事件の羅列に過ぎなくなってしまう。

そうして日本はバブル崩壊から、2001年の9.11のアメリカ同時多発テロ事件の頃までの<失われた10年>を漂流したのである。

2002年、EU(欧州連合)はユーロ紙幣と硬貨を一般社会に導入した。

その後、ユーロはドルに対して一貫して価値を高め、ドルはその間、価値を落として行った。

アメリカは2003年春、イラク戦争を始めた。

その時以来、問題の中心にあるのが<ドルの機軸体制の危機>にあるという事がようやく世界中の人の目に見え始めてきた。

そして今度のアメリカの不良債権サブプライム・ローン焦げ付きの問題が浮上。

アメリカの景気の後退が世界に大きな不安の影を落とし始めているのである。

中国に目を転じると、ちょうど日本が1960年から1967年までの7年間、11%の成長を続け、所得倍増を成し遂げた時のような高度成長期の中にある。

しかし2010年頃には中国バブルは崩壊するという声もささやかれ不安感をあおっている。

*

2007年の一字は<偽(にせ、いつわり)>であった。

では今の世界にただよう気分を一つのキーワードで表すとするとどういう言葉になるのだろうか。

わたしは<不安>なのではないかと思う。

そう考えていた時に突然、新聞で次のような本が出版されたという事を知って “エッ、ウソ・・・”と思った。

本の題名は<またもやジャパンアズナンバー1の時代がやってくる>。

サブタイトルは<乗り遅れるな、最後のチャンスー円高、株高、資産高!>。

著者は増田俊男さんである。

早速買って読んだ。彼のモノの見方は、現在日本で流布されている内容とはあまりにも違っている為に戸惑いを覚えた。

増田俊男さんの最新の本は、わたしの、これからの10年のイメージを一変するものであった。

●まず一番最初に重要な事。アメリカはイスラエルを使ってイランを攻撃するだろうという事である。その時期ははオリンピックが終った後の2008年の9-10月あたりになる模様。

●次に中国の経済成長はアメリカのバックアップのもとで今後10年以上、継続する見込みが大きい事。

●アメリカは中国市場及び広く全アジア地帯をドル圏にして一挙にユーロに対して反撃に出ようとしている。

●石油の富にあふれる中東をドル圏として押さえる。これが中東の民主化の意味であるという事。

●アメリカの民主化政策は<ドルの拡大政策>と同義である事。

●最後の重要な点は、次のアメリカの大統領は共和党から選出されるという事である。アメリカの今後の経済の好転は産軍複合体にかかっている。従って戦争一点張りの共和党の人しか大統領にはなれない。

この本は私の中の来るべき世界についての混沌とした闇に一条の光を投げかけてくれた。

感謝。

2006-05-10

イギリスと日本

イギリスという国はおもしろい。

英国は女王国。

日本は天皇の国である。

イギリスはEU・ヨーロッパ連合に参加してはいる。

しかしヨーロの通貨同盟には参加していない。

自国のポンドを今もって保持している。

イギリスは戦後、長い間、アメリカの大の見方として頑張ってきた。

イラク戦争にもブレア首相のもと、率先して派兵した。

つまりイギリスはいってみれば、大陸ヨーロッパとアメリカの中間点で、その取り持ち役であったのである。

ひるがえって日本の今置かれている立場を見ると、東に新興の中国がある。太平洋のかなたには同盟国のアメリカがいる。その中間地点に日本があるのだ。

何となく日本は大陸とはピッタリ来ない。

それはイギリス人が感じているものと殆ど同じジレンマなのである。

しかし時代は容赦なく、どんどん進んでいく。

イギリスに選択の余地はもうない。大陸が団結したら、それでもうイギリスはそれに乗るしか道はないのだ。

イギリスのジレンマ。

日本のジレンマ。

ブレア首相の輝きはもう終わりに近づいている。

日本の小泉首相ももう終わり。

日本にも選択の余地はない。

アジアへと向かうしか道はないのである。

大陸の吸引力は逆らうのを許さないのだ。

第一その市場を避けては日本は生きていけない。

イギリスも同じである。ヨーロッパの大陸が団結した今、その市場なしにイギリスは生きてはいけない。

もしそうだとしたら、積極的にEUの形成に参画する。これがイギリスに残された唯一の道なのだ。

日本の場合も同じである。

もし中国や他のアジアASEANなどの大陸がまとまったら、日本は、もうそれを積極的に形成する側に立つしかないのだ。

もしくは鎖国。

しかしそれは今はもう出来ない。

それにアメリカも変わっていく。

太平洋のかなたの国が日本を丸ごと守ってくれると信じるのは子供じみている。

原子爆弾を2発も日本に投下した国なのだ。

そんな事はありえないのである。

むしろ利用されて終わりの可能性の方が大きい。

自分で自分を守る。

それが基本になる時なのである。

その上でアメリカと同盟関係を結ぶ。

これは良い。

しかし日本の安全をアメリカに預けてしまう。

これは出来ない。

第一アメリカは本当のところは、自分の事で精一杯なのだから。

どちらにしても、ドルの嵐がやってくる。

これを乗り越えなくてはならない。

この1....2年。

それは日本の最大の試練の年である。

 

脱米入亜の時代

時代は音もなく、急速に動いている。

アメリカのドルの崩落はもう時間の問題になってきた。

アメリカ自体がそれを望んでいるのだ。

それがどの位の規模で起きるのか。

それだけの問題になった。Asia3

果たしてアメリカ発の恐慌は再度あるのか。

ある国際エコノミストは大要以下のような見通しを発表している。

4月末のIMFとG7の会議で、以下のような要望がアメリカから出された。

<双子の赤字が増え

ているアメリカは、もう経済的に

もたないので、アジアの諸通貨

を切り上げてドル安にしたい>。

5月5日のアジア開発銀行の年次総会で話し合いが持たれ、上記のアメリカのドル安への要望に対するアジア側からの返事は、以下のようなものであった。

<これまでアジア各国は、

ドルに対する自国通貨の相場

をドルを支柱として使う事で、

安定させてきたが、

ドルが不安定になりそうな

今後は、ドルの代わりに、

アジア通貨単位(ACU)を使い、

そこに各国通貨を連携する

ようにしていく>。

つまりドルの崩落はもう避けられないという認識でアジアの国々が一致しているのである。

ヨーロッパはこの事を、もう何年も前から見通していたと思われる。

通貨統合から始まったEU・ヨーロッパ連合体の運動の背後にはドル基軸体制以後に備えるという考えがすでにあったのだ。だから周囲の国がなだれをうって、それに加入したいと考えたのだ。

そしてそれと平行する動きがとうとうアジアで、しかもアメリカ主導で始まったのである。

これはチョッと考えると信じられない事である。

この大きな転換で戦後が遂に終わったという事が言える。

全く新しい時代の幕が今、開かれようとしている。

アメリカから見ると、アメリカの覇権時代が終わり、多極の世界が生まれようとしているのである。

これまでの常識とかルールとかが、音を立てて崩れていく時代なのだ。

アメリカのジャズの代わりに中国の京劇を見る。

韓国語を勉強する。

そういう時代がもうすぐそこに来ている。

日本人が中国の人と、韓国の人とスクラムを組んで、新しいアジアの繁栄を築いて行く。

それは何とすばらしい時代ではないか。

しかしこれがアメリカの主導で始まったというところに何かスッキリしないものを感じる。

アメリカはそれだけ追い込まれているのだ。

結局、日本の方向は明らかである。

基本的にはアメリカとアジア大陸の中間にあって、その2つを結びつけ、調和させる働きである。これは日本にしかできない。その両方を抱きかかえるしかない。ちょうど中間にあり、センターの役目を果たせる訳である。

日本はいま基本的なところへ立ち戻り、自分の方向を見定める時であると思う。

それは一言で言えばドルの危機を乗り越えて、その先のアジア全体までを見通したものであるべきなのである。

しっかりとした理念に裏打ちされた方向がいま求められているのだ。

かつて日本は大東亜共栄圏の構想を持って、アジアを巻き込んだ戦争への道を走った。

アジアはその結果、欧米の植民地からの開放には成功した。

しかし日本の当時の構想は、欧米によってたたきつぶされた。

いままた<入亜>をしようとしている日本。

今度は一体どういう理念と見通しをもって、それをしようとするのか、それがいま問われている。

 

2006-05-05

日本のアキレス腱

いつも不思議に思っていた。

なぜ<大和>と書いてヤマトと読むのか。

それが何となくいまではわかるような気がする。

中国が日本の事を古い本にに書き残している。Tanchousou_1

その際に何という名前でそれをよんだのか。

<倭>である。

中国の<論衡>という本に次のように出ている。

「周時天下太平 倭人來獻鬯草」
(周の時、天下太平にして、倭人来たりて暢草を献ず)

「成王時 越裳獻雉 倭人貢鬯」
(成王の時、越裳雉を献じ、倭人暢草(ちょうそう)を貢ず)

周の時というのは紀元前1000年の頃である。

この頃から日本は自分の事を<わ>とよんでいたのは間違いないのである。

この倭を越と同じもので倭人は当時中国内にいたとかいう人もいる。

しかしそうではないと思う。

それは縄文人を誤解しているのである。

彼等はわたし達が今考える以上に活発に当時から、外国と交わっていたのだ。

必要なのは想像力である。

倭は当時、日本列島にいたのである。それに南朝鮮にもいた。

倭は卑字と言われている。

実際の本当の字はおそらく<和>あるいは<環>であったのではないか。

そう思うのである。

自分が世界の中心であるという唯我独尊の考えの中国は当時、<東夷>(東の野蛮人)がこんな良い字で自分をよんでいる事がおもしろくない。

だから和とか環に、同じ音の<倭>という卑しい字を当てたのである。

倭の意味は"小さい、従順"。

いまの言葉で言えば<チビで腰抜け>とでもいうような意味。

当時日本は群小の村の集まりであった。それを環とか和とか言っていた。

その代表が中国の周に朝貢していた。

西暦250年頃、奈良の飛鳥地方に日本の豪族が集まって連合国を作った。それを<大和>(おおきな和)とよんだ。ヤマトの誕生である。

そして、ヤマトは正式の国名を<日本>と改めるのである。

*

ヤマトがなぜ大和なのか。

それがいま理解できる。

そうであった証拠がある。

それが聖徳太子の次の文章である。

<以和為貴 和を以(も)って貴(とうと)しとなし.......>。

十七条憲法、第一条の冒頭の部分である。

彼は日本の長い伝統をしっかりと身につけた、当時の政治改革の最高のリーダーであった。

その彼が<和>で日本最初の憲法を始めている。

*

もうお分かりの事と思う。

日本の現在の憲法の第九条と似ているのである。

その条文をここに掲げよう。

● 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

● 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

意味は今の言葉で言えば

"わたしは平和を愛します。だから軍隊は持ちません。戦争もしません。"

これは一言で言えば、島国日本の伝統を外に向かっても適用すると言っているのである。

しかしこれは日本のアキレス腱ではないか。

というのはこの反対が世界なのである。

日本以外の普通の世界の伝統は。

"わたしは人間が利己主義者である事を認めます。だから争いが人間の普通の姿なのです。従って軍隊のない国はこの世に存在する事は出来ません。戦争は外交の延長線上にあるごく普通の事です。平和こそ例外であり、奇跡なのです。しかし残念な事に、それはごく短い間しか続かないのです。"

アインシュタインが日本に来て、次のような意味の事を言ったという。

いつか世界の人々は戦いと争いに疲れ果てて、日本にこころを安めに来るだろう。

アインシュタインは日本のコア哲学を理解したのだと思う。

つまり日本人のこころには3000年もの昔から、和という字が深く根付いているのである。

日本はむかしから島国の桃源郷なのである。

*

これが日本の最大のアキレス腱となる。

というのは日本は安全保障おんちになってしまったからである。

自分の国を守るという意味が全く理解出来ない国になっている。

それを如実に示したのが<ドイツ人拉致事件>である。

二人の技術者がイラクで何者かによって拉致された。

ドイツの外務省とか、ドイツ情報局(BND)(アメリカのCIAに相当する組織)は迅速に動いた。

二人の住んでいる町の人は教会に毎日詰めかけて救出まで祈りの集会を続けた。

数日前に、二人は釈放金の支払いの後、救出された。

毎日共同の祈り集会に参加していた男が泣いて言っているのをテレビで見た。"わたし達の祈りを神が聞き届けてくれたのだ。ありがたい。"

このドイツの電光石火の行動と日本人の拉致事件を比べてみよう。

どこが違うのだろう。

一点が違う。

国の存在理由である。

国の一番重要な存在理由。つまりわたし達が高い税金を国に支払っている理由は、つまるところ<生命の安全>を確保するという点に尽きる。

なぜなら命がなくなったら、すべてが終わるからである。

ドイツの場合には国がすばやく、この存在理由を証明した。

つまりドイツの政治家は国民に、無言のうちに、こう言ったのである。

"わたし達は政治家の本来の役目、国民の安全、生命維持という役目を立派に果たしました。だから今まで通り、国に税金をキチンと払って下さい。"

日本人の拉致された人の母親がアメリカの議会と、アメリカの大統領に、拉致の件での協力を訴えていたちょうどその頃、どこかの国の首相はアフリカで観光旅行。

丸投げ首相。

日本の長所はすなわち短所。

日本のアキレス腱は和なのである。

*

日本の伝統、和は裏で、つまり国内では、これからも立派に育てていく。

しかし日本は外に対しては、自分の国の存在は、自分の力で確保しなくてはならない。

だから表の顔は普通の形にするべきであろう。

基本は日本は日本。

アメリカはアメリカ。

二つの独立した普通の国がお互いに協力関係を持つ。

これは良い。

しかし親分子分ではもうやっていけないのである。

他の国の兵に自分の命を丸投げにはできないのである。

平和国家スウェーデンの戦略研究センターには世界の武器と戦争に関する世界で一番正確な情報が日夜集められ分析され提供されている。

誰が何時どんな武器を売ったか。買ったか。すべてが詳細に調べ上げられている。

日本は少なくともスウェーデンに劣らない平和研究センターを作って世界中のあらゆる戦争と武器の現状を正確に把握するべきであろう。

それを基に、戦争の回避、平和実現に向けて、種々の提案、行動をする為である。

それから少なくとも、日本情報局(アメリカのCIAに相当する組織)は日本の安全確保には欠かせないと思うのである。

敵を知らないと負ける。

故にすべての先進国では情報局が、自国の安全確保の為に、重要な役割を担っているのである。

スウェーデンは世界でも最高の武器製造技術があり輸出はしないが、自作の最高レベルの武器で身を固めている。

永久平和国スイスは赤十字のセンターもあるが、現地に行くと地下壕がいたるところにあり、世界最高レベルの軍備を誇っている。

自分の国を自分で守る自立した姿が、その国の誇りの姿なのである。

日本のアキレス腱は和。

わたし達は今も<チビで腰抜け>なのだろうか。

 

2006-05-04

右肩上がりに上がるもの

近ごろ<右肩上がりに上がるもの>。

拡大、拡張、非常な勢いで伸びているもの。

それはどんな物であろうか。

はじめに頭に浮かぶのは<インターネットと携帯電話>の爆発的な伸びとその普及である。Flower2

つまり衛星通信網を利用した、ディジタル情報空間の急速な拡大が世界的な規模で見られる。

現今、特に注目されるのは、いわゆる開発途上国といわれる国々におけるインターネットと携帯電話の利用が非常な勢いで拡大しているという点である。

例えばベトナムである。中国である。インドである。イランである。

イランでは若年層のあいだでブログが大きな人気を呼んでいる。

イランのブロガー人口は2005年現在、世界第4位。

ベトナムとか中国とかインド。

これらの国の近年の経済的な発展は<インターネットと携帯電話>なしでは不可能であったと思われる。

今右上がりなものの一番目に来るのは<インターネットと携帯電話>。

ディジタル情報量のインフレと言っても良い。

*

では次の右上がりなものは。

カネである。世界でカネが有り余っているのである。

別の言葉で言えばカネがあっても、儲かる話が少ないのである。

相対的にカネは余っている。

自分のところではカネはあまっていない。むしろ欠乏していると言うなかれ。

これは世界中ののカネの総量の話である。

金融の分野でインフレーションがおきているのである。

デリバティブとかカード金融等も含めればカネの量が世界的な規模で拡大、爆発しているのである。

日本では阪神タイガースとの関係で、村上ファンドが話題になっている。

ファンドは他人からカネを集め、投資対象を探して儲ける。

これが彼等の仕事である。

つまりそれだけカネがジャブジャブ有り余っている。

むしろカネを投入するに値するところが少なくなっている。

故にプロのファンドが活躍できるのである。

また現今の株のブームを見てほしい。

平均株価は1万7000円を超え、TOPIXはITバブル時のレベルを超えている。

多くの外国からの買いと、国内の新たなネット株参入者がこの株高を支えている。

実体のない株価だけが乱高下して踊っている。

これは日本だけではなくヨーロッパでも同じである。

今右上がりなものの2番目に来るのは<世界のカネの量>。

金融インフレと言っても良い。

*

次に右上がりなもの。

失業者数と国と地方の赤字である。

これを見る場合に一つ気をつけなくてはならないのは統計データを信用してはならないという点である。

公式発表のデータは本当の現実を反映してはいない。公式のデータはいつも粉飾データなのである。

少なく見積もって発表された数の1.5倍がほぼ現実に近い。

例えば日本の場合。

日本の失業者数、300万人。1年以上の長期失業者数は100万人。この6年間で約400万人の正規社員が減る一方で、パート、アルバイト、派遣、契約などの非正規の不安定雇用が370万人もふえている。

つまりこの数字を解読すると、日本(人口1億2780万人)の失業者数は今およそ450万人。

ドイツ(人口8200万人)では今、失業者数は統計では497万人。予想実数は750万人。

日本の国の累積赤字は700兆円を越えている。

つまり日本の国はすべての日本人が戦後、営々と貯めてきた貯金をもうほぼ使い切ってしまっていると考えたほうがいい。

ドイツもこの数年間、税収の低下に悩み、毎年EUの規定上限の3%を上回る赤字経営が続いている。

上の数字もあくまでも公式発表の数字なので、実数は少なく見積もってその1.5倍と見るべきである。

戦後一番経済的に成功した両国がこの現状である。

他の世界の国々の事情はおして知るべしである。

今右上がりなものの3番目に来るのは<失業者数と国の赤字>。

失業と国の赤字インフレ。

*

次に右上がりなもの。

石油と資源の価格である。

現今の石油などのエネルギー価格の上昇には目をみはるものがある。

これはテロなどの不安要因を見込んだ、投機による値上がりとも言われている。

中国などの需要が増え、鉄をはじめとする諸々の資源価格上昇も、この近年著しい。

今右上がりなものの4番目に来るのは<石油と資源の価格>。

石油と資源価格インフレと言っても良い。

*

もう一度以上をまとめると、右肩上がりなもの

● インターネットと携帯電話
● 世界のカネの総量
● 失業者数と国の赤字
● 石油と資源の価格

*

問題なのは、上に上げた右肩上がりは一体何を表しているのかである。

バラバラな4つの現象に覆われている世界はひとつ。

一つの世界を4つの角度から見ると拡大上昇しているのである。

それは一体何なぜなのか。

何が起きているのだろう。

*

いま世界を一人の男に置き換えてみよう。

彼は今、失業中である。

仕事はいくら探してもない。

暇にまかせて、毎日インターネットでタダのオンライン新聞を読んでいる。

車を持っているのでしょっちゅう遠出をして遊んでいる。

だから、オイル代金だけで、毎月の赤字がどんどん増えている。

でもカネを貸す人はたくさんいる。

金利がゼロに近いので、たくさんカネを借りている。

カネの使い道が分らないので仕方なく毎日、ネット株をやっている。

競馬にもチョクチョク顔を出している。

勝つときも時々あるが、大半は負けている。

 

 

2006-04-18

デノミ万歳

先日友だちの夫婦と一緒に食事をしたあと、少し飲みながらくつろいでいた。話しが興にのってきた頃、友だちの奥さんが言った。<この頃円が上がっているわよ。> その瞬間、変だな........と思ったが、<きっと自分が知らないうちに円が上がったのかも知れない>と思い直した。

Flower33_1 夜遅く家に帰ってテレビでNHKのニュースを見ていたら、円のレートが報道されていた。ヨーロに対して2円ほど<下がっている>のである。

何故あの奥さんは円が<上がっている>と反対の事を言ったのだろう。

しばらくして、やっと分った。

現在円のレートをテレビのニュースで流す時に取られている方法は、1ヨーロが何円に当たるか、1ドルが何円に当たるかという表示の仕方をしている。これが誤解の原因だったのである。

例えば昨日の時点で1ヨーロが139円だったとする。これが今日は141円になっていたとする。そうすると円は2円高くなったと思ってしまうのである。グラフに書くと、139から141へと高くなっているではないか。

でも良く考えると、そうではない。本当の意味は、昨日は139円出したら1ヨーロが買えたのが、今日は141円出さないと1ヨーロが買えない。そういう意味である。つまり円は上がったのではなく、反対に円の価値が落ちたのである。

ではこの誤解を避ける道はあるのだろうか。

ある。

それは1ヨーロは・・・円というやり方から、1円は・・・ヨーロという表示にする事である。

このやり方が意味のある、普通の常識的な表示の仕方なのである。

実際にやってみると、1円は0.0072ヨーロ、0.0071ヨーロになる。

しかしこれでは実用的ではない。ヨーロ表示が小数点以下4ケタになってしまうからである。

これを回避する道はあるだろうか。

ある。

100円は・・・ヨーロ、・・・ドルという風にすれば良いのである。つまり上記の例で言えば100円は0.72ヨーロ、0.71ヨーロ。これをグラフに書くと0.72から0.71へとダウンする線が出来るのである。つまり円が落下した様子がグラフでもその通りに出てくる。

こうすればニュースを見た瞬間、円の価値が下がったというのがパッと誰にでも分る。

つまり報道の責任がこれで本当に果たせるのである。

日本は四方を海で囲まれ、むかしは円の世界だけで生活できる国であった。

しかし今では、グローバルな波が海という自然な防壁を乗り越えて日常生活の中にも押し寄せるて来る時代になっている。

このような時代を生きる為の基本的なやり方は情報を開示して、透明化する事である。みんなにその情報が正確に伝わり、それがパッとわかる。

これが一番大切なのである。

でもいちいち<100円は>・・・・ヨーロというやり方はやはりどうも不自然である。

もっとスパッと簡単、明瞭なやり方はないものだろうか。

その方法がある。

新円を発行して旧100円を新円では1円にするのである。これをデノミネーションと言う。

略してデノミ。

これを使うと1新円は上の例では、すぐそのままで0.72ヨーロ、0.71ヨーロになる。 シンプルで明確である。

このやり方はグローバル化した今日の世界において自然なものである。というのは、こうすれば、ドル、ヨーロ、円がほぼ同じレベルの数字で示されるようになるからである。

現時点の平価価値を、そのやり方で書くと、例えば、以下のような具合になる。

1.00 ドル= 0.81ヨーロ =  1.18 新円

こうすればドル、ヨーロ、新円がほぼ一つの線上にプラス・マイナス20%以内に並んで表示できるのである。

実際にこれらを数年前に実行した国がある。

イタリアである。

EUヨーロッパ連合では2002年を期して、それぞれの国の通貨が、いっせいにヨーロ・コインとヨーロ・お札に変わった。それ以前はイタリアではチョコレート1つ買うと1900リラ位出していた。それが今では1ヨーロである。

当時の1000リラが0.52ヨーロになったのである。つまりおよそ2000分の1になった。

ドイツの場合は、今までの約2マルクが1ヨーロ。つまり今までのマルクの値段の半分の数字がヨーロになった。突然値段が半分になったような感じである。

円の場合はリラのように2000分の1にまでする必要はない。
新円は旧円の100分の1で済ませる事が出来る。

実はこのヨーロのデノミには隠された<おまけ>まであった。

EU ヨーロッパ連合の国々では大半の製品がヨーロ切り替えに便乗して実際には大きく値上げされていたのである。少なく見積もって・・%は上がっているハズである。

今まで2000リラしていたチョコレートが1ヨーロで買えるとなったら、つい実際には高くなっていたとしても何となく安いと感じて買ってしまうという心理的なトリックである。

このトリックが実際にヨーロッパ中で無数に繰り返されたのである。

なぜか知らないが、公式にはこの事は表沙汰にはされなかった。

いわば<隠されたインフレ>である。

つまりヨーロッパは当時、この隠されたインフレで、デフレ圧力(価格下落傾向)を相当の程度、相殺する事に成功したのである。

デノミ万歳。

 

<COLUMN OF ORION> 

2006-04-06

パンとサーカス

現在日本だけではなく、ヨーロッパでも若者の失業者やフリーターが急増している。Colosseum2

何が起きているのだろうか。

フランスでは解雇制限緩和の新法に反対して100万人規模のデモが起きている。失業者数500万人のドイツではベルリンのトルコ人居住地区の暴力学校が大きな問題になっている。

つまり若年者の仕事がなく、そのために希望と展望をなくしているのである。

背景を見ると、次の事が分る。世界は1990年頃まで比較的平穏であった。しかしベルリンの壁が落ち、東西反目が解消すると状況は一変した。

東欧、ASEAN、南米諸国、ロシア、中国、インド、ベトナム等が安価な労働力を武器に産業に参入してきたのである。

先進国クラブOECD諸国の産業工業独占体制は崩壊した。

これはちょうど1000人の町に突然、1000人規模の移民がどっと押し寄せた状況に似ている。町のはずれのバラックに住みついた移民の群れ。今の半分以下の賃金で働きますよという人が急に大量に現れたのである。工場や会社の主は急遽、選択に迫られた。

●今雇っている人の給与を落とす。
●今雇っている人を解雇して、移民の人を雇い人件費を落とす。
●人員を維持して生産性を上げる。
●人員を少なくして労働時間を増やす。

つまり突然、雇われて働いている人の立場が弱くなったのである。

そして一番その被害が大きかったのが若年者であった。というのはその町の会社で働こうと考えて学校で勉強していた若者は突然チャンスを失ったからである。そして彼等はフリーターになったのである。

移民の人はすぐに仕事ができた。何故か。彼等は教育を受けており、文字の読み書きができたからである。それにインターネット等の通信コストが安くなったのも大きな理由である。あとはマニュアルと近代的な機械があればほぼ同じ仕事ができたのである。

今まで1000人の人口しかなかった町が急に2000人の規模に膨れ上がった。もちろん消費はその分拡大する。

しかし増えた需要は不況の需要ダウンの分を吸収するだけで終わった。つまり町全体の生産量はほぼ同じのまま。

しかし隣の町も同じ状況で、隣の町の会社が労賃が下がっただけ値段を下げて来た。これではお客さんは隣の町に取られてしまう。

つまり人件費は下がったが値段も下げざるをえなくなったのである。だから儲けも昔よりだいぶ下がってしまった。でも儲かった分は株式市場に流れ込んで株価を押し上げた。でも生産設備には投資されなかった。生産は同じレベルに止まっている。ただ株価がどんどん上昇した。その上昇株価で潤ったごく一部の人が金持ちになっている。こうして金持ちとそれ以外の人の差が急速に開いたのである。

基金とか投機の金がどんどんふくらみ、町の税収は人口は2倍になったのに、反対に減っている。それどころか赤字が急増している。

金融インフレバブル。生産は足踏みまたはダウン。町は大赤字。それが現状なのである。

今は世界の開発途上国の発展期であることはまちがいない。

文字が読み書きできる人が増えたので、これらの地域の人が立ち上がろうとしているからである。テレビでみる先進国のようになりたい。そう考えて必死に働こうとしているのだ。

やっと持った携帯電話がそのシンボルである。

情報だけはどんどんスピードも量も拡大の一途。

そして、その分だけ先進国の庶民は痛みを感じているのである。

昔のローマ帝国の発展期にこれと似た現象が見られた。地中海全域に拡大したローマ。アフリカ等の植民地から安い産物がイタリアに大量に流入。現地の農家や産業主は競争に負けてばたばたと倒れた。

それらの人は失業者となってローマ市に流れ込んだ。その時、ローマ市はタダで穀物(パン)を供給し、コロセウムで娯楽(サーカスや闘技)を提供したのである。

怠惰になったローマ人。その結果いのちを危険にさらす兵隊になる人がいなくなる。ゲルマン人を金で雇って戦争を続けた。その結果ゲルマン人によってローマは滅びるのである。

今の金融バブルは植民地からローマに流れ込んでくる莫大な富に似ている。

 

2006-03-29

希望が地に落ちた日

フランスでは今日、解雇規制緩和法案に反対して100万人の人が街頭デモを繰り広げている。高校生や学生から始まったデモはいまや各種労働組合員も巻き込んでパリ、マルセーユ等、フランス全土に及んでいる。

これをテレビで見て思った。やはりフランス革命をやった人達だと。Jjjglobe_1 施政者に真っ向から対決していくラディカルさはフランスでしか見られないと思う。革命の遺伝子が体にしみ込んでいるのである。

他の国はどうか。

イタリアはメディアを独占所有しているベレスコーニが政界を牛耳ってもう長い。

保守的なイギリスはイラク攻撃でアメリカのお先棒を担いだブレアに歯向かおうとはしない。

ドイツは2大政党の統一政権で妥協的な政策に終始している。元来従順な国民なので色々な不備を忍んで我慢している。

自由と民主主義が看板であるアメリカはどうか。今からちょうど3年前始まったイラク戦争。世界の反対の中、嘘の理由を押し立てて始めた戦争。アメリカにはもう自由も民主主義もない。産軍複合体がすべての政治を牛耳っている。ペンタゴンと軍需産業と石油メジャーの天下である。メディアも自己規制しているのか、批判の声は聞えてはこない。アメリカの理想の旗は地に落ちたのである。あの開けた明るいアメリカは何処に行ってしまったのだろう。

誰もが何となく感じている。何かがおかしいと。歴史を貫いて来た大切なものが失われようとしている。

未来への信頼と希望が必要なのである。

2006-03-23

韓国と日本

Jjjfareast_1 遂に野球のワールドリーグでは王監督が率いる日本勢がキューバを破り世界一に輝いた。それで地団太を踏んで悔しがったのが韓国である。

韓国勢の強気と、しつこさ、その勢いには驚くばかりである。

そう言えば日本では2-3年前に韓国ブームが起きた。韓流とも言う。メディアの力をバックにして、<冬のソナタ>から始まり、<チャングム>などの大型TVドラマが猛然とこの流れに火をつけた。

それまでの日本先行、韓国台湾ASEAN諸国は後続というイメージをひっくり返す勢いである。日本はと言えば失われた10年を嘆き、一種の閉塞感がある。その象徴的事件がオリンピックの日本の成績であった。

何故このようになってしまったのであろうか。

まず言える事は●韓国はインターネットのブロードバンドに国を挙げて集中投資して先行した事。●韓国はIFM管理下におかれ贅肉をそぎ落とした。韓国の四大銀行はいずれもアメリカ資本の傘下に入っていち早くグローバル化の波をかぶった。

ある意味では、アメリカが意識的に日本の競合者としての韓国を育成したという面もある。

韓国のしたたかさは、経済的にはアメリカの資本を縦横に利用しながら、それに加えて国としては中国に顔を向けた親中国政策を打ち出している点である。

韓国は昔は小中華とも言われた。それほど中国の影響をもろに受けたのである。大陸と地続きの国には他に選択の余地はなかったのである。

中国の台頭と韓国のすばやい親中国策が効を奏して今の韓国の強気が生まれているのである。アメリカとも、つかず離れずで、ある意味でずるがしこく立ち回ったとも言えるのである。

地理的にもいわゆる極東と呼ばれる地域をパッと見ると韓国は丁度、その中心地点にある。この地の利は大変韓国のプラスになっているのである。これは中国という新規興隆地域により生じた地の利である。

もう一つ大きな原因がある。国民の平均年齢である。1995年の時点で言うと日本が40才、韓国が32才である。実に8才の差がある。

日本が終戦を迎えたのが1945年。その後に生まれたいわゆる団塊世代が今は60才になろうとしている。韓国が朝鮮戦争を終えたのが1953年である。その頃に生まれた人が今では53才である。やはり7才の差がある。

つまり韓国の人は7-8才だけ日本より若いのである。それが押せ押せの強気の韓国、弱気な日本のイメージになって現れているような気がする。

もう一つ。冬のソナタとかチャングムを見て思う。やはり質的に大変優れているのである。画面の美しさ、音楽と画面の調和。するどい人間性への洞察。それらを日本の大河ドラマと比べて欲しい。やはり韓国のドラマのレベルの高さに驚くのである。この差はどこから来るのであろうか。

国の興亡には時というものがあるようである。韓国は今ちょうど<Zenith>(絶頂)に近いところにいる感じである。

では日本のZenith絶頂は終わったのであろうか。いやそうではないような気がする。まだまだ日本の絶頂の時は来ていないのである。これからが本番であるという気がする。